
この愛らしい2人乗りの小さな車は、単気筒エンジンを搭載したスイス版の「フォルクスワーゲン」です。
このユニークな未レストアの車は、1946年にスイスのチューリヒ州ディーティコンにある Rapid A.G. 社によって製造されました。設計にあたり、ヨゼフ・ガンツは自ら考案し特許を取得していた数多くの技術的コンセプトや、Volkswagen 向けの設計を活用しました。 大衆のための自動車というコンセプトは、1920年代初頭から、ユダヤ人技術者ヨゼフ・ガンツ(1898–1967)によって提唱されていました。彼はドイツの専門誌「Motor-Kritik」の編集長として、手頃な価格でありながら安全な大衆車の構想を発表することができました。1931年、Adler 社に在籍していた彼は、試作車を製作し、それを「Meikever(コガネムシ)」と名付けました。これはバックボーンフレームとスイングアクスルを備えた車で、これらの要素は後に Volkswagen Beetle の設計にも取り入れられることになります。 1934年、ヒトラーが帝国首相に任命されて間もなく、ガンツは自動車雑誌「Motor-Kritik」を発行し続けることが不可能となり、その後完全にボイコットされました。彼の名は歴史からさえ抹消されてしまったのです。 大衆車の開発をフェルディナント・ポルシェに命じたヒトラーは、実際にはガンツの技術コンセプトを利用していました。ヨゼフ・ガンツはナチ政権から逃れ、スイスに移住し、1946年には国家の支援を受けてスイス版 Volkswagen プロジェクトを立ち上げました。Louwman Museum にあるこの車は Rapid 工場で製造されたもので、全37台の先行シリーズのうちの11号車です。このプロジェクトは早期に打ち切られたため、この車が量産されることはありませんでした。
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